零した砂を掻き集めるような繊細な仕草が
つよしくんが自分や周りと闘っていたあの頃、わたしはそんなつよしくんと闘っていた。
大好きで大好きで大好きでいつも夢中になっていたあの頃のつよしくんはアイドルで、でもいつの頃からかどんどん見た目が変わっていって、刺々しかったり痛々しかったり、そんな姿を見ているのがつらかった。
子供だったから。
子供だったから、青年の悩みを抱え始めたつよしくんを見守るとかましてや理解するとか、そんなこと全然できなくて、でも好きで、でもやたらに敏感になって勝手に傷ついて。
つよしくんの闘いが終わり、つよしくんは先に大人になった。
その時私はまだ成長の途中で、追いつけなくて、置いていかれたような気持ちになって、見たいものだけ見ればいいと目を拗ねて瞑った。
大好きで大好きで大好きなのは変わらないのに。
20周年の今年、あの武道館の、あの時間。
やっと、わたしはつよしくんに追いついた。
素直に受け止められなかったいろんなこと、今ならまっすぐ信じられるよ。
遠回りじゃなくて、必要な時間だったと思う。
過去のつよしくんも、今のつよしくんも世界で一番大好きだよ。
過去のKinKi Kidsも、今のKinKi Kidsも。